テクニカルライターの
花道

神様じゃない

この際はっきりしておきたいのだが、べつにテクニカルライターだからって、パソコンに秀でてるわけじゃないのだ。仕事がくるたび、せっせこと資料を集め、そのソフトなりパソコン・周辺機器を使い倒し、自分でどうにか理解してからようやく使い方の説明を書けるようになるのである。
しかし、どうも世の中の方は「テクニカルライターなら、コンピュータ関係のことはなんでも答えられる」と思っているらしい。でもね、それは勘違いなんだってば。
確かに、パソコンを始めたばかりの人がしがちな失敗はわかる。
でもそれは、自分が少し前に同じことをしでかしているからであって、頭にCPUが組み込まれてるからではないのだ。
モノに、以前触ったことがあったり、資料を読んだことがあれば答えられますわさ。丁寧にかみ砕いて説明するぐらいのオプションもつけてあげよう。だけど、使ってもいない機械やソフトのことを「教えてくれ」と言われたって、そりゃ無理ってもんだわさ。

「うーん。それは、わかんないわ」と言ったときに、「テクニカルライターなのにわかんないの」って、あーた。あたしゃ神様じゃないんだよ。
だって、ン百人の人が長い時間をかけて作ったモノを、たった一人で熟知するのに、どれくらいの時間がかかると思うんだい。テクニカルライターができるのは、自分が理解したしくみを「わかりやすく、流れにそって説明すること」ぐらいだ(この「わかりやすさ」のジレンマにハマって、ジダンダ踏むことも多々あるのだが、それはまた別の機会に話すとしよう)。

やれパソコンをセッティングしたい、はれ設定がおかしい、あれパソコンが止まった、と泣き付かれても、できないときはできないんだよぉ。わかるときは協力するからさ、それで勘弁してくださいよ、ほんとに。
たぶん、似たような思いをプログラマーとかインストラクターの方々もしてるんだろうな。
まったくパソコンっつーのは罪作りなヤツである。

Menu
vo.1
Home

泣く子と〆切 | トホホ | ライター講座 | いいヒト | 著作リスト | Profile | 歳時記 | 365Days | BBS | 情報LINK
ご意見、ご感想は web@kitayu.com まで
Copyright(C) 2001-2004 yukari kitayuguchi All Rights Reserved.
Go to Home