テクニカルライターの
花道

 テクニカルライターの正体 

「テクニカルライターって、何する人?」と良く聞かれるが、別に小器用なライターへの称号でも、テクニシャンなライターのことでもない。技術書を書くライター、コンピュータ関係のライターのことだ。

もともとはマニュアルを書く人のことだったが、今やパソコン本にパソコン雑誌、講習会のテキスト作成と守備範囲は広い。もともと肩書きなんてのは名乗ったもの勝ちだから、同じような仕事してても「ライター」とシンプルに語る人も、「パソコンライター」といった言葉を造ってしまう人もいる。
口の悪い友人などは「テクニカルライターより、マニュアラーって名前はどう?」とからかうが、かなり一理あるので文句も言えない。でも、なんだかくやしいので握りこぶしぐらいは用意しておこう。
ところで。パソコン界の「マニュアル」って、なんであーも嫌われモノなのだ。
パソコンソフトなどを買うとドッサリ付いてくる、あのジャマ臭さが原因だろうか。書いてるほうは必死なんだけど、えてして、その努力の結晶の多くは積読状態で放置される。ライターとしてはかなり悲しいことである。たまにゃ、目次ぐらい読んでくださいよ、頼むぜ。
そんな世間の冷たい目から逃れたわけじゃないが、気が付いたらワタシもマニュアルを作成するより、パソコン雑誌やパソコン本を執筆するほうが多くなった。この分野、いわゆる一般誌に寄稿しているライターに比べると、かなりバブルな商売なのである。
難点は、時間に追いまくられること。
なんといっても、相手はパソコンである。半年も経てば新しい機械が売り出され、ソフトのバージョンアップも著しい。とうぜんワケワカメの人が増えるから、答えを求める人が本や雑誌を頼りにする。全力疾走のイタチごっこである。

ま、猫も杓子もパソコン、という狂乱の時期は沈静化したようなので、これからははじけた人もでるかもしれないけどね。5年後に残っているテクニカルライターは何人ぐらいいるかなぁ…自分が消えていたりして。ぶるぶる。ワタシにとっちゃ、そこらのホラーより恐い話である。


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